2021.05.15

手術や処置で縫うときに使う『糸』には、様々なものがあります。
その中には溶ける糸もありますし、溶けない糸もあります。

手術後しばらく経つと、体に吸収されて無くなってしまう糸を「溶ける糸」と呼びます。
溶ける言っても、氷が溶けるのと同じじゃありません。
「糸が分解され吸収される」わけですから、その部位の組織には反応が起こります。

これに対して体に吸収されない糸を「溶けない糸」と呼びます。
溶けない糸でもナイロンやポリプロピレンなどの合成糸は、組織反応を起こすことが少ないと言われています。

ここで使っている糸は、3ヶ月くらいかけてゆっくりと吸収される糸たちです。
そのため短時間で解ける糸と比べて、組織の反応は少ないとされています。
溶ける糸だから安心と言う方もいますが、どんな糸でも体にとっては異物にはなります。

溶ける糸と溶けない糸には、その糸の作り方により2種類にわけられます。
一つは裁縫に使う糸のように、細い繊維が何本も束になって1本の糸となっているもの。
もう一つは、1本の糸で出来ているものです。

それぞれには利点と欠点がありますが、現在は1本の糸で出来ているタイプを使用することがほとんどです。

溶ける糸と溶けない糸の使い方は、使う場所や使う人により違います。
ちなみ私が受けた手術では、腸を縫うのには溶けない糸を使っていました。

昨日の子の口の中は、PDSⅡが使われてました!

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