院長ブログ

外耳炎

2019.07.21

外耳炎を再発を繰り返し、しかも今回は治らないという子が来院した。
外耳炎になるたびに耳の洗浄を行い、綿棒で掃除を行っていたという。

診てみると、なるほど耳の中はジクジク。
濃厚な膿様のドロっとしたモノが、詰まってる。
それを取り除くと、今度は透明の液体がジワーッと出てくる。

膿様のドロっとしたモノを検査してみると、多数の細菌と好中球が見られる。
好中球とは白血球の1種類で、生体内に侵入してきた細菌などをやっつける働きをしている。
つまり好中球がいるってことは、化膿しているということである。

細菌性外耳炎と仮診断!
今まで様々な耳の治療を行なっていたとのことで、抗生剤の感受性検査を行うことにした。
耳の化膿を起こしてる細菌の種類を調べ、投与する抗生剤を決めるのである。

しかし透明の液体が出てくるのは変!
そこで耳の奥まで見えるよう中を綺麗に洗浄してみると、腫瘤がある。
早々に、手術して腫瘤を取り除いた。

外耳炎が再発しやすい子の多くに、耳掃除をよくしてる場合があります。
特に綿棒を使用している場合です。

耳垢には、耳の中の皮膚を守る抗菌作用や潤滑作用があります。
しかし綿棒を使い耳垢を掃除をしてしまうと皮膚に小さな傷をつけてしまうばかりでなく、これらの作用が少なくなり感染しやすくなります。
また耳垢を奥に押し込めてしまうこともあります。

耳の健康を守り、ストレスのない生活を!

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