【クラミジア感染症】猫クラミジア感染症とは?症状や治療法を解説
2022.09.20
子猫の眼が、グチャグチャになっていたり眼ヤニで汚れている!
そんな症状がみられたら「猫クラミジア感染症」に感染しているかもしれません。
新入りの 子猫の眼が眼ヤニいっぱいで大変なことになってる!
どうにならんのかなぁ?
特に子猫は簡単に感染して重症化しやすい病気だから、一緒に頑張って治そう。
猫クラミジア感染症は、猫クラミジアによって引き起こされる病気です。
猫クラミジア感染症の症状は、ヒトの風邪によく似ています。
そのため猫ヘルペスウイルス感染症や猫カリシウイルス感染症と同じように「猫風邪」とも言われます。
しかも猫クラミジアは猫だけでなく、鳥や色々な哺乳類にも感染すると言われています。
ここでは『猫クラミジア感染症』の原因と対処法などについて、Dr.Nyanがわかりやすく説明いたします。
もくじ
猫クラミジア感染症の症状
猫クラミジア感染症の特徴的な症状は、結膜炎による眼のウルウルや眼ヤニです!
症状が進むと熱が出たり食欲も落ち、最悪は死に至ることもあります。
また他の猫の風邪と混合感染すると重症化することもあります。
結膜炎から始まる
猫クラミジア感染症の最初の症状は結膜炎で、「結膜」が赤く充血したり腫れ上がってしまいます。
また涙も出ますが、最初はサラサラした涙が徐々にドロドロになってきます。
悪化に伴い、黄色っぽい膿のような眼ヤニが出てきます。
多くの場合では結膜炎の症状は最初は片眼に見られ、進行とともに両眼へと広がっていきます。
眼ヤニがすごくなると、不快感から眼を擦り前足が汚れるようになることもあります。
また眼を痛がり、眼を開けるのも嫌がるようになります。
特に子猫は重度の結膜炎になってしまう傾向にあります。
鼻水やクシャミ
猫クラミジア感染症の症状は、ヒトの風邪に似て鼻水やクシャミも出ます。
しかもクシャミをすると鼻水が飛び散り、顔だけで無く周囲までも汚すようになります。
病状が進行すると、元気や食欲がなくなってきたりします。
また水を飲むことも減り、脱水してしまうこともあります、
特に子猫は免疫力が弱いため重症化しやすいので、注意が必要です。
猫の平熱はヒトよりも高く、だいたい38℃〜39℃くらいです。
ただ平熱は個体により違いますし、測定場所や測定方法によっても違うため事前に平熱を測っておくことが大切です。
安静にしていれば、39度を超えることはありません。
猫クラミジア感染症の原因
続いては猫クラミジア感染症の原因について説明しますね。
猫クラミジア感染症は、猫クラミジア(Chlamydophila felis:クラミドフィラ・フェリス)と呼ばれる細菌の感染によります。
猫クラミジアは、感染した猫の鼻水や眼ヤニ、ヨダレやウンチの中に含まれています。
しかし猫クラミジアは細胞内でしか増えることのできない細菌のため、濃厚な接触でないとなかなか感染しません。
猫クラミジア感染症の主な治療法と費用
猫クラミジア感染症は、治療すれば治る感染症です。
治療に際しては、猫クラミジア感染症を確定し治療を行うと治りもスムーズです。
当院ではIDEXX社にPCR検査を依頼しております。
抗生剤を服用する
クラミジアは細菌のため、適切な抗生剤を使用することにより治ります。
一般的な投薬期間は2~4週間と言われ、その間は薬をきちんと飲むことが重要です。
治療の途中で、症状が治まったかのように見えることもあります。
しかしそこで薬を飲ませるのをやめてしまうと、治りが遅くなるだけで無く再発しやすくなります。
結膜炎の治療として、抗生剤の点眼や眼軟膏を使用することがあります。
また症状に応じて、点滴などの対処療法を行います。
症状を悪化させないことがとても大切です。
特に子猫は免疫力も体力も無いので、治るまでは手厚いケアを行うことが大切です。
- 体が冷えないように保温をする
- 眼や鼻など顔まわりの汚れを綺麗にする
- フードを温めニオイがたつようにし食欲が落ちないように気をつける
- 水を飲ませる工夫をして脱水にならないようにする
猫クラミジア感染症の治療費
治療でかかる費用は、1週間の投薬で平均5000円~8000円程度と思ってください。
ただ体重や病状、使用する薬によっては多少費用が異なります。
また重症になると点滴を行うなど治療方法も変わっう。
また場合によっては、入院も必要となり治療費もかかってしまいます!
子猫は病状が進みやすいので、早期発見・早期治療がとても大切です。
猫クラミジア感染症の予防方法
屋内飼育の徹底
屋外に出してしまうと、感染のリスクが大きくなります。
しかも屋外ではクラミジアだけでなく、他の感染症にかかる可能性もあります。
予防の一番は、まず屋内で飼い屋外に出さないことです。
混合ワクチンを打つ
猫クラミジア感染症には、有効なワクチンがあります。
しかしワクチンを接種していても、感染を完全には防ぐことはできません!
ワクチンは、万が一感染しても重症化しにくくさせるものです。
生活環境と栄養状態を整える
猫クラミジア感染症は、季節の変わり目など免疫力の落ちやすい時期に多く見られます。
感染を少しでも防ぐためにも、生活環境を整えてあげる必要があります。
またストレスの少ない生活を心がけてあげます。
猫クラミジア感染症はヒトにも感染しますし、ヒトを介して他の猫への感染の可能性もあります。
そのため飼い主さん自身も感染の予防の意識を持つことが重要です!
免疫力の低下を防ぐ
猫クラミジア感染症の予防には、免疫力の低下を防ぐことも重要です。
環境の変化やストレス、また歯周病などの基礎疾患や老化も免疫力を下げてしまいます。
栄養状態をよくし、感染に強い体を作ってあげるととが大切です。
また基礎疾患を早めに見つけるよう、健康診断を受けておくのも良い方法です。
免疫力を下げないようにして、快適に過ごせるようにしてあげてください!
猫クラミジア感染症を起こしやすい猫種
そのため上記の予防方法を実践して下さいいね!
- 生後2~3ヶ月の子猫
- ワクチン接種が済んでいない猫
- 免疫力が弱まっている猫
- 持続的なストレスがある猫
まとめ
猫クラミジアは子猫に感染しやすい感染症ですが、ちゃんと治療すれば治る感染症でもあります。
またワクチン接種により、重症化を防ぐこともできる感染症です。
予防に勝る治療は無いと言われますので、ワクチン接種をしておきましょうね!
もし何か気になる兆候が見られたら、早めにご相談ください!