【膀胱炎】猫の膀胱炎とは?症状や治療法を解説
2021.07.13
トイレに幾度も通い、トイレからなかなか出てこない!
そんな症状がみられたら『膀胱炎』かもしれません。
チョット辛い!どうにかして〜!
オシッコの検査結果は、やはり『膀胱炎』でした。
猫の膀胱炎はよくみられる病気のひとつであり、また繰り返して発症してしまうこともある病気です。
そのような『膀胱炎』の原因や対処法などについてDr.Nyanが説明しますね。
もくじ
膀胱炎の症状
まずはどんな症状がでたら要注意なのか一緒に確認していきましょう!
オシッコが近い
膀胱炎の特徴的な症状は、オシッコが近いことです。
しかもオシッコの体勢をしている時間が長いにも関わらず、オシッコの量が少ないこともあります。
またトイレ以外の場所でオシッコをしてしまったり、陰部を気にして舐めることもあります。
オシッコが赤い・濁っている
オシッコに血が混じっていたり、オシッコ全体が赤くなるいわゆる血尿となることがあります。
これは、炎症を起こした膀胱の粘膜からの出血によります。
膀胱が細菌に感染してしまうと、オシッコが濁ったり膿が混じることもあります。
オシッコにキラキラしたものが見える
細菌性の膀胱炎を起こすと、オシッコにキラキラしたものが見える場合があります。
そのキラキラしたものを顕微鏡で見ると、四角い形をしたストルバイトの小さな結晶が見られます。
これは細菌感染からオシッコがアルカリ性となり、ストルバイト結晶が出来やすい環境になってしまったからです。
これを尿石症と言います。
オシッコをすると、その中に動いている小さな石が見えます。
オシッコが出づらい
膀胱の粘膜から剥がれた細胞や出血した血液が尿道に詰まると、オシッコが出づらくなってしまいます。
特にオスの猫はメスに比べ尿道が長く細くて曲がっており、しかもオシッコの出口が細くなっているので注意が必要です。
膀胱炎が原因での「尿道閉塞」は、尿石症による閉塞に比べて多くはありません。
しかし膀胱炎からオシッコにストルバイト結晶が出てしまうこともあり、油断はできないため気をつける必要があります。
膀胱炎の原因
膀胱がさまざまな原因により、炎症を起こしたのが膀胱炎です。
膀胱に炎症を起こしたのが膀胱炎ですが、膀胱炎は大きく二つに分けられています。
- 細菌の感染による細菌性膀胱炎
- 原因がわからない特発性膀胱炎
細菌の感染による細菌性膀胱炎
「細菌性膀胱炎」は長い時間オシッコを我慢したり免疫力が下がるなど、何らかの理由で膀胱内に細菌が入りこむことにより発症します。
膀胱の中の細菌により粘膜を刺激されると、頻尿や血尿などさまざまな症状が見られるようになります。
また膀胱内で細菌が増えるとオシッコのpHがアルカリ性となり、ストルバイト結晶ができやすくなります。
膀胱内のストルバイト結晶は膀胱の粘膜を刺激してしまうため、さらに膀胱炎を悪化させてしまうことがあります。
原因がわからない特発性膀胱炎
「特発性膀胱炎」は原因がはっきりわからない膀胱炎を言います。
特発性膀胱炎の特徴は、以下のようなものがあります。
- 細菌性膀胱炎とは違い、オシッコの中に細菌や結晶が見られない
- 比較的若い猫で多く発症する傾向がある
膀胱炎を起こす原因はわからないまでも、要因の一つに「ストレス」があげられています。
ストレスの原因としては、例えば以下のようなものがあげられます。
- オシッコするのに落ち着かない場所にトイレがある
- トイレが汚れている
また濃いオシッコが膀胱の粘膜を刺激していることも、一つの要因と言われています。
これは猫が『水をよく飲まなくても生活できる」動物である、と言うことに起因しています。
膀胱炎の主な治療法と費用
細菌感染が見られ膀胱炎を起こしている場合
膀胱炎を発症している場合は以下の治療を行います。
- 抗生剤を投与する
- 水を飲ませる工夫をしてオシッコをいっぱいさせる
- 体を冷やさないようにする
細菌性膀胱炎は治療しても、再度の細菌感染から膀胱炎を発症してしまうことが多々あります。
そのような場合には、細菌感染を起こしやすい何らかの原因があることがほとんどです。
そのため膀胱炎の再発の原因を探るため、尿検査だけでなくレントゲン検査や腹部のエコー検査などを行う必要もあります。
細菌感染が見られない膀胱炎を起こしている場合
膀胱炎を起こしてしまう「ストレス」の原因を探すことが、治療上大切になります。
- 来客によるストレスは無いか?
- トイレの環境はだいじょうぶか?
- 体が冷えることは無いか?
とにかく考えられるストレスを改善していく必要があります。
膀胱炎の治療費
膀胱炎の原因や症状によって、使用する薬と治療期間の違いから治療費が変わります。
しかも重度の場合には治療期間も長くなり、その分治療費もかかってしまいます!
細菌性膀胱炎では、オシッコの検査費用と抗生剤1週間分で5000円〜7000円くらいかかってしまいます。
万が一ストルバイト結晶から尿道閉塞を起こしてしまうと、さらに費用がかかってしまいます。
膀胱炎の予防方法
膀胱炎の治療と予防に一番大切なことは、水をいっぱい飲ませることです!
またストレス解消も大切です!
膀胱炎は再発しやすい病気ですが、再発の頻度を減らしてあげる事もできる病気です。
だからこそ、その子にとって良い方法を見つけてあげましょうね!
猫の膀胱炎は、日々のケアで予防できますので頑張って下さい!
体を冷やさないようにする
お腹が冷えると、膀胱の筋肉が寒さでギュッと縮みやすくなります。
そのため、オシッコがしたくなるスイッチ入りやすくなります。
その結果、膀胱炎の症状を悪化させることがあります。
冷えは万病の元と言われます。
水を飲む工夫
少しでも飲む水の量が増えるよう、工夫します。
- どんな水が好きか(冷たい水・温かい水・新鮮な水・くみ置きの水など)
- どんな水飲みの器が好きか(ステンレス製・プラスチック製・陶器製など)
- どこで飲むのが好きか(静かな場所・温かい場所・玄関など)
猫に合った飲み方を探してあげてくださいね!
運動してストレスの解消
運動不足もストレスの原因になるため、運動不足を解消してあげる必要があります。
猫は平面の運動よりも立体的な運動が好きですし、仲間がいると動きも増えます。
運動を行うことで、水の飲む量も増えます。
動きを増やすには
- キャットタワーを置く
- 家具の配置に工夫をし高い場所でも遊べる空間を増やす
- 好きなオモチャで遊んであげる
- 老猫の場合には子猫を飼ってみる
多頭飼育も、運動不足には有効な方法です。
落ち着けるトイレでストレスフリーに
落ち着けるトイレは、ゆっくりオシッコもできてストレスも溜まりません!
そんなトイレの条件とは
- ゆったりとした大きさ
- 好きな猫砂を使っている
- 猫砂が十分に入っている
- 掃除が行き届いており、常に綺麗なトイレである
- 暖かな邪魔されない場所にある
など、猫に合ったトイレにしてあげましょう!
トイレの数を増やしたり、ひとまわり大きなトイレを用意するのも良い方法です!
このトイレは、左の三つはメガトイレと言われ、幅48×奥65×高28.5cmもあります。
日ごろから猫をよく観察する
愛猫の日頃からよく観察しておくことも大切です。
- 水を飲む量
- トイレの使用状況
- 体重の変化
- 行動の変化
などに気をつけ、早期に発見してあげることが重要です。
膀胱炎になりやすい猫種
- オスの猫
- 若い猫
- アメリカンショートヘア
- ヒマラヤン
- スコティッシュフォールド
- ペルシャ
まとめ
猫の膀胱炎は、日々の生活を気をつけていれば予防ができる病気です。
しかし水を飲ませるのは、そう簡単なことではありません。
本当に知恵比べみたいなものですので、出来ることは我々もお手伝いします!
悩まずに、早めにご相談くださいね!