【糖尿病】犬の糖尿病とは?症状や治療法を解説
2021.11.02
愛犬が水をガブガブいっぱい飲んで、オシッコもジャージャーいっぱいする。
しかも食欲もあって食べてるのに、なぜか痩せてくる!
そんな症状がみられたら「糖尿病」を引き起こしているかもしれません。
どうにかして〜ッ!
オシッコと血液の検査してみようね!
これって糖尿病ですね!
フルクトサミンを検査すると、検査する1~2週間前の『平均血糖値』がわかります。
血糖値が異常に高くなり、オシッコに糖が出てしまう病気を『糖尿病』と言います。
犬が糖尿病になった場合には、眼が白くなってしまうことがあります。
ここでは犬の糖尿病の原因と対処法などについて、Dr.Nyanがわかりやすく説明いたします。
もくじ
糖尿病の症状
犬の糖尿病の初期では、元気も食欲もあり目立った症状も無いため気が付きにくい病気です。
糖尿病は、膵臓のトラブルから起こる病気です。
膵臓は肝臓や胃、十二指腸に接して存在します。
多飲多尿になる
糖尿病が進むにつれ水を飲む量が増えオシッコの量も多くなります。
そのため、散歩でしかトイレができない犬は散歩をせがむようにもなり、屋内のトイレを使う犬は、その汚れがひどくなってしまいます。
このような状態になって、多くの飼い主さんが異常に気付きます。
しかし、この状態になった時には血糖値が高くオシッコにも糖が出ています。
食欲があるのに痩せてしまう
糖尿病は、インスリンという血糖値を下げるためのホルモンの不足で起こります。
インスリンが不足してしまうと、栄養としてのブドウ糖を細胞に十分に取り込めなくなってしまいます。
そうなると空腹状態となってしまうので、食欲が増し、よく食べるようになります。
しかし、いくら食べても細胞に取り込めるブドウ糖の量が足りず、栄養状態が改善せず痩せてしまうのです。
眼が白くなる
犬が糖尿病になると、ほぼ全頭で白内障が起きてしまいます。
しかも、その進行が早いという特徴があります。
下痢や嘔吐などの様々な症状がみられる
糖尿病の進行に伴い、様々な体調の変化がみられるようになります。
- 下痢
- 嘔吐
- ふらつき
- 食欲がない
- 脱水
- 意識障害
糖尿病になると、ブドウ糖をエネルギーに変換して使うことができなくなります。
そのためブドウ糖の代わりに脂肪や筋肉をエネルギーに変えて使うようになります。
そして上記のような症状がみられるようになります。
このような状態を「ケトアシドーシス」と呼びます。
「ケトアシドーシス」は危険な状態で、集中的に治療を行っても亡くなってしまうこともあります。
糖尿病はさまざまな合併症を引き起こす
糖尿病による血糖値が高い状態は、さまざまな合併症を引き起こします。
例えば以下のようなものが見られます。
- 腎臓に障害を起こしてオシッコがうまく作れない
- 細菌感染を起こしやすく皮膚炎や膀胱炎になりやすい
- ケガをしたら傷が治りにくい
- 脚腰が弱ったような歩き方や、カカトをつけた歩き方をする
また治りが悪く、重症化しやすくなるのも特徴です。
糖尿病の原因
その原因を一緒に確認していきましょう。
炭水化物が多いフードの影響
市販されているフードは炭水化物が多く含まれおり、食後の血糖値が上がりやすいとされています。
もともと犬はタンパク質をエネルギー源としていました。
そのため犬は炭水化物の多いフードを食べると血糖値の高い状態が続きやすく、糖尿病になりやすいのです。
日頃のストレスにより
ストレスがかかると、血糖値を上げてしまうアドレナリンやステロイドホルモンが過剰に分泌されてしまいます。
そのためストレスが続く状態が続いてしまうと、血糖値が高いままとなり糖尿病になってしまことがあります。
肥満から
糖尿病は、高齢の肥満の犬に多いとされています。
肥満は、インスリンの効きが悪いと言われています。
インスリンの効きが悪いと血糖値が高くなり、しかもその状態が続いてしまいます。
そのため糖尿病になってしまうことがあります。
女性ホルモンの影響
女性ホルモンの一つであるエストロゲンが、インスリンの作用を弱めてしまうことがあります。
インスリンの働きが弱まると、血糖値が高くなってしまいます。
膵炎の影響により
膵臓とは胃の近くにある臓器で、血糖値を調節するインスリンなどのホルモンを分泌しています。
この膵臓が炎症を起こし『膵炎』になると、インスリンの正常に分泌されなくなってしまうことがあります。
その結果、糖尿病になってしまいます。
食欲もあり一見健康そうに思えても、実際には慢性膵炎である場合があります。
体の中は見えないため、注意が必要と言われています。
【参考コラム】犬の急性膵炎;https://blog.dr-nyan.com/columns/dog-acute-pancreatitis
ステロイドなどの薬の影響
ステロイドなどの薬の影響により、血糖値があがって場合があります。
糖尿病の主な治療法と費用
糖尿病用のフードを使うなどの食事療法を行う
糖尿病の場合炭水化物が控えめの糖尿病用のフードを与えることにより、食後の急激な血糖値の上昇を抑えることができます。
インスリンを使用している場合には、糖尿病用のフードを使うことでインスリンの注射量を減らすこともできます。
糖尿病の治療を行うには、血糖値のコントロールをするためにも糖尿病用のフードを使うことが大切です。
肥満の場合には、適正な体重まで減量を行うために食事療法を行います。
また腎臓病や膵炎などの併発症がある場合には、その病気に適した食事を必要とします。
不妊手術を行う
女性ホルモンの一つであるエストロゲンが、インスリンの作用を弱めてしまうことがあります。
そのため糖尿病と診断された未避妊のメスの子は、避妊手術を行うと治療にも効果があると言うことになります。
インスリンの注射
糖尿病の治療は、細胞内にブドウ糖を取り込ませ血糖値をコントロールすることがメインとなります。
そのため血糖値を下げることのできるホルモンである、インスリンを使う治療が行われます。
インスリンは生き続けていくためには絶対に必要なホルモンで、足りなくなると生きていけません。
糖尿病の犬の多くは、一生涯インスリンの注射を毎日打たなくてはなりません。
しかも犬は短期間で血糖値が大きく上下することもあるため、糖尿病のコントロールが難しいと言われています。
ただし、糖尿病の犬の中には、治療中にインスリンの注射が不要になる場合があります。
その場合にも血糖値が急激に上昇しないように、食事療法と定期的な検査は続けて行います。
糖尿病の治療費
日々の通院でかかる費用は、血糖値の確認のための検査で8000円程度と思ってくだい。
その他にはインスリンと注射器、また糖尿病用のフードが必要になります。
これらは体重や糖尿の病状により、費用が違います。
重症になると入院も必要となるため、それだけ治療費もかかってしまいます!
やはり症状的にも経費的にも、早期発見が大切です。
糖尿病の予防方法
適正体重を維持する
肥満は糖尿病の発症のリスクを高めると言われます。
糖尿病予防には、フードの内容と若いうちから肥満にはならないように注意することが重要です。
適正体重の維持には、ヒトと同様、犬も運動が重要です。
しかし、運動しても食べる量が多くカロリーの消費量が少なかったり、屋内で遊ぶことが多かったりする犬は太ってしまうこともあります。
そのため体重の維持には、運動も大切ですがフードの管理が最重要となります。
ちなみ肥満でなくても糖尿病にかかることはありますので、注意してください!
メスは避妊手術を行っておく
女性ホルモンの一つであるエストロゲンがインスリンの作用を弱めてしまうことがあります。
そのため避妊手術を行っておくと、糖尿病の予防になります。
糖尿病を起こしやすい犬種
- 肥満の犬
- メスの犬
- トイ・プードル
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・シュナウザー
- ジャックラッセル・テリア
皆からで太ってる太ってるって言われちゃってる・・
このままじゃ糖尿病一直線じゃん、気をつけよう!
まとめ
「インスリンを注射するのも、糖尿病の管理も不安」
「どうやって生活をしていったら良いのか、心配」
そんな皆様の不安と心配が解消し、治療に自信を持って下さるようお手伝いします。
何か気になる兆候が見られたら、早めにご相談くださいね!
【参考コラム】猫の糖尿病はこちら