猫の慢性腎不全の看護のPOINT・水を飲ませ方について
慢性腎炎は治療をしても治ることなく、どんなに頑張っても腎不全へと進行してしまう病気です。
そのため、いかに進行を遅らせてあげるかが大切です。
また腎不全からの症状を出来る限り取り除いてあげれば、辛さも減る病気です。
だからこそ、治療や看護はその子にとって良い方法を選んであげて下さい!
だから水分の補給しないとね、お家で出来ることは頑張ろうね。
ちなみ『慢性腎炎は病名』で『慢性腎不全は症状』です!
水分の補給をどのようにしたらよいのか
慢性腎炎になると、腎臓の機能が落ちてしまいます。
そのため腎臓の機能の一つである「水分の再吸収」する働きも下がってしまうため、オシッコをいっぱいし脱水になってしまいます。
慢性腎不全の症状を悪化させないためには、水分の補給を行うことが絶対的に重要になります。
水をいっぱい飲むには、猫は舌をペロペロさせて頑張らなくてはなりません。
そのため、自分で水を飲むように工夫することが必要です。
うまく飲ませられないと強制的に水分補給を行うことになってしまいますが、それって超〜大変です。
それなのに洗面所とか台所、風呂場とかで水を飲んでいるの。
水飲み用の器からは飲まないのに、なぜ他の場所の水を飲むのでしょう?
飲み水にも、こだわりがあるのでしょうか?
とにかく飲ませる工夫をしなくてはなりません。
【普通の子が1日に飲む水の量の目安の計算方法です】
・体重X 30ml + 70mlまたは
・体重X 50mlこれはフードに含まれている水分量を合わせてですよ。
例えば体重が5キロの猫ちゃんなら・・・
・5kg X 30ml + 70ml = 220ml
・5kg X 50ml = 250ml
つまり、220 〜 250ml が必要な水分量の目安です!
どんな水が好きかな?
猫の食性からすれば、飲む水は川の水ではなく雨など地面に溜まった溜水です。
屋外で自由に暮らしてた野生時代の自然環境からすれば、新鮮な水なんって飲んではいませんでした。
そこから考えれば器に入った新鮮な水を飲ませるというのは、どのようなものでしょう?
飲み水の好みは千差万別、個性そのものです。
考えられる、いろいろなタイプの飲み水を用意します。
そして、どれをよく飲むかのチェックです!
- 新鮮な水
- くみ置きした水
- 冷たい水
- 温かい水
- 蛇口から出る水
- 風呂の水
- 金魚の水槽の水
また水に何かを加えると、飲む量が変わることがあります。
- チュール
- スープ
- 何かを浮かべてみる
水の中にドライフードを一粒浮かべると、水の飲みがよくなった子がいます。
またチュールを水の中にチョット垂らすと、水の飲みがよくなった子もいます。
水飲みの器は何が良いかな?
我々がビールを飲むなら、ドンブリよりガラスのジョッキの方が良いですよね!
同じように猫ちゃんも器に好き嫌いがあり、それによって飲む量が違います。
だからこそ『水をたくさん飲みたくなる、しかもより飲みやすい器』を見つけてあげましょう。
水飲みの器には、いろいろあります、
- ステンレス製の器
- プラスチック製の器
- 陶器の器
- ガラスの器
- 自動給水器A・水が湧き出るタイプ
- 自動給水器B・水が落ちるタイプ
このごろよく聞くのは、陶器製の器と自動給水器Aを使うが好きな猫が多いようです。
猫の個性は様々ですから、好みの器を探してあげましょうね!
器の大きさも関係あるよ
猫のヒゲの根元には神経が通っており、センサーのような役割をしているため「触毛(しょくもう)」と呼ばれています。
そのためヒゲが濡れたり器の縁に触るのも嫌がるので、ヒゲが水にも器にも触れないタイプが良いとされます!
ちなみ真ん中から水が湧き出るタイプの自動給水器は、ヒゲが水にも器にも触れないですよね・・
しかし水を動かすモーターなどの音がしますので、それを嫌う猫もいます。
どこで飲むのが好きかな?
我々だってビールを飲むなら、トイレの横でなんて嫌ですよね。
やっぱり良い場所を選びますが、それは猫ちゃんも同じです!
そのため、水の置き場所も重要になります。
- 静かな場所
- 温かな場所
- 玄関
- 階段の踊り場
- 外が見える場所
- 出窓の陽のあたる場所
器は一か所だけでなく数か所に置いた方が、飲む水の量は増えます!
ウェットフードにしてみる
水分が多いウェットフードや、ドライフードを水でふやかして食べさせるのも一つの方法です。
ただウェットフードやふやかしドライフードを好まない猫もいますので、その場合には他の方法でしっかりと水を飲ませる工夫が必要です。
また水分量の多いフードは、口の中にフードのカスが残りやすいと言われ歯周病菌の温床にもなります。
そのため口腔内ケアを行うなど、衛生管理をしっかり行なうことが必要です。
まとめ
慢性腎炎は治らない病気です。
しかも慢性腎不全に陥ってしまった場合には、一生涯治療を続けなくてはなりません。
そのためにも、飼い主さんにも猫にも負担が少ないような治療を選ぶ必要があります。
慢性腎不全での治療で、わからないことや悩みがある場合にはご相談ください!
スタッフ一同、全力でサポートさせて頂きます
以下に続く!
猫の慢性腎不全の看護のPOINT・栄養補給について
参考コラム
【慢性腎炎】猫の慢性腎炎(慢性腎臓病)とは?症状や治療法を解説