スタッフブログ
お口の住人
2023.01.12
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
当院ではワクチン接種や健康診断の時に合わせて歯科検診もおこなっています。
口腔内の健康は全身の健康に影響をおよぼすとても大切なものです。
では「口腔内の健康」とは一体どういったものなのでしょうか。
口腔内の診察時に主訴としてよく言われるのは「歯石がついている」「口臭がひどい」「歯茎が赤い」です。
特に「歯石」は気にされている方が多く、悪の存在として知られています。
そのため現在では、サロンや専門店などで無麻酔の歯石取りをする人が増えています。
しかし、はたして「歯石がない=健康」なのでしょうか。
下の写真の子は歯茎が下がり歯石も多くついていて、歯の根本にはネバネバとした塊もついています。
この状態では、とても健康的な口とは言えません。
では、次の子はどうでしょう。
歯茎の赤みはありますが、歯茎下がりも歯石もほとんどありません。
しかし、この子も健康的な口とは言えないのです。
その理由は口腔内にいる歯周病菌にあります。
最近多くの子の口に見られるのが「口腔内トリコモナス」です。
↓赤矢印が指している丸い塊が「口腔内トリコモナス」
(口腔内トリコモナスについての詳しい解説は『Dr.Nyanの健やかコラム 犬編・猫編』へ)
口腔内トリコモナスがいると口腔内の組織破壊が急速に進み、重度の歯周病へとなってしまいます。
一度歯周病になってしまうと治すことは難しく、症状の改善・維持がメインの治療となります。
日頃から口腔内の状態をチェックし、病気の早期発見・早期治療をすることが口腔内の健康へとつながります。
口腔内トリコモナスの他にも歯周病菌は数多く存在しますので、気になった方は歯科検診をオススメします。