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便秘

2023.03.30

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

3月から始まった『春の健康診断』。
1番上の健康診断には胸腹部のレントゲン撮影も含まれています。
今年、春の健康診断を受けた子のレントゲン写真を見て思うのが「便秘の子が多い!」

↓ 腸の下の方に溜まったコロコロウンチ(赤矢印)とその影響でお腹の広範囲に溜まってしまったガス(青矢印)。
便秘

 

ヒトの日本内科学会では「便秘とは3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と定義されています。
つまり、毎日ウンチが出ていても便秘になってしまうことがあるということです。

ワンちゃんや猫ちゃんが便秘になってしまう原因としては下記のことが考えられます。

・運動不足
・水分不足
・ストレス
・食餌が合っていない
・トイレ環境が悪い
・腸の機能低下
・腸や肛門の異常
・骨や神経の異常     など

↓ お腹の中に腫瘍(赤丸)があり、その影響でガスが溜まりやすくなった腸(青矢印)。
腹腔内腫瘍

 

便秘になる原因は多くありますが、その中でも特に多いのが水分不足。
ちゃんと飲んでいるように見えてもその子の体重や活動量・食べている物によって必要な水分量は変わってきます。
水分不足が続くと腸自体も脱水を起こしてしまい、腸の運動機能が低下してしまいます。
ウンチが硬くコロコロとしている場合には、水分が足りていない場合があるので注意が必要です。

↓ 腸の運動機能が落ちて腸全体にガスが溜まり(青丸)、ウンチもコロコロ(赤矢印)に。
腸の運動障害

 

腸の運動機能が低下し便秘が長期間続くと、硬くなったウンチが腸を圧迫して壊死を起こしてしまう危険性もあります。
猫ちゃんに多くみられる「巨大結腸症」という病気は内科治療で症状が改善されない場合、外科手術によって腸を切除することもあります。

↓ 巨大結腸症になってしまった猫ちゃんのレントゲン写真。赤矢印はすべてウンチです。
巨大結腸症

 

軽度の便秘であればお家でのケアでだけ薬を使うことなく改善することができます。

・適度な運動
・水分補給
・食餌やおやつの見直し
・お腹のマッサージ

など、お家でできることはたくさんあるので、ウンチがコロコロしている子は試してみてくださいね!

便秘についての詳しい説明は『Dr.Nyanの健やかコラム』でもされていますので、そちらもご覧ください!

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