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ひっかき病

2022.10.20

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の看護師・千明です。

先日、診察中に猫ちゃんにひっかかれた場所が赤く腫れてきました。
これは猫の爪にいるバルトネラ菌という細菌によっておきた感染症です。

ひっかき傷

猫に咬まれたりひっかかれたりしておこるバルトネラ菌感染症は『猫ひっかき病』とも呼ばれ、
人獣共通感染症の中でもかなり身近な病気の1つでもあります。
年間約2万人が感染していると言われていて、感染すると傷口が赤く腫れて潰瘍になったり、
近くのリンパ節が腫れて発熱・関節痛・倦怠感・食欲不振などをおこしたりします。
重症化すると肝臓や脾臓に異常をきたしたり、脳炎やケイレン発作などの神経症状が出たりすることもあります。
過去には死亡例も報告されています。

バルトネラ菌はノミを介して伝播していくため、猫だけでなく犬や他の動物・ノミからも感染します。
そのため、猫との接触がなくとも感染する可能性があり、傷の深さに関係なく感染することがあるのです。

 

〈 猫ひっかき病に感染しないためには 〉

・猫は完全室内飼いにする
・過度なスキンシップは避ける
・定期的なノミ予防をする
・爪は短く切っておく
・野良猫には触らない

 

お互いの健康を守るためにも飼育環境をしっかりと整え、動物たちとは適切な距離を保ちましょう。

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