【糖尿病】猫の糖尿病とは?症状や治療法を解説
2021.07.27
水をいっぱい飲んで、オシッコもいっぱいする。
しかも食べてるのに痩せてくるし、歩き方もいつもと違う!
そんな症状がみられたら「糖尿病」を引き起こしているかもしれません。
どうにかしてッ!
オシッコと血液を検査して調べてみようね!
糖尿病ですね!
血糖値が高くなり、オシッコに糖が出てしまうのを『糖尿病』と言います。
犬が糖尿病になった場合には、眼が白くなってしまうことがあります。
しか猫は糖尿病が進行しても目に見える変化が少なく、飼い主さんが気づきにくい病気です。
ここでは『猫の糖尿病』の原因と対処法などについて、Dr.Nyanがわかりやすく説明いたします。
もくじ
糖尿病の症状
糖尿病は、膵臓のトラブルによる病気です。
膵臓は、胃や肝臓などに接して存在する臓器です。
多飲多尿になる
猫の糖尿病の初期では元気も食欲もあり、さほど目立った症状がありません。
そのため、気が付きにくい病気です。
糖尿病が進むと水を飲む量が増え、その分オシッコもするので猫砂の汚れが多くなってきます。
ここで多くの飼い主さんが異常に気付きます。
しかし、この時にはすでに血糖値が高くなりっぱなしの状態が続いてしまっています。
食欲があるのに痩せてしまう
糖尿病はインスリンという血糖値を下げるためのホルモンが不足することで引き起こります。
インスリン不足になると、栄養としてのブドウ糖を細胞に十分に取り込めず空腹状態になってしまいます。
そのため食欲が増しよく食べるようになるのですが、いくら食べても細胞に取り込めるブドウ糖の量が足りません。
その結果、栄養状態が改善せずに痩せてしまうのです。
「かかと」を着いて歩く
普通、歩くときには後ろ足の「かかと」は地面から浮いています。
しかし糖尿病では「かかと」を床に着けペタペタと歩く「ペタ足歩き」となることがあります。
また高いところにジャンプすることが出来なくなることもあります。
さらに進行すると後ろ足だけでなく、前足も動かせなくなるなどの症状も見られるようになります。
これらを「糖尿病性神経障害」と言い、糖尿病により神経の働きが落ちてしまうことが原因とされています。
下痢や嘔吐などの体調不良がみられる
糖尿病が進行すると、様々な体調不良がみられるようになります。
- 下痢
- 嘔吐
- ふらつき
- 食欲がない
- 脱水
- 意識障害
糖尿病になると、ブドウ糖をエネルギーとして使うことができなくなります。
すると体はブドウ糖の代わりに脂肪や筋肉をエネルギーに変えて使うようになり、上記のような症状がみられるようになります。
このような状態を「ケトアシドーシス」と呼び、とても危険な状態となってしまいます。
「ケトアシドーシス」を起こすと、集中的に治療を行っても助からないこともあります。
糖尿病はさまざまな合併症を引き起こす
糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。
例えば以下のようなものが見られます。
- 腎臓が障害を受けオシッコがうまく作れない
- 細菌感染をおこしやすくなり皮膚炎や膀胱炎になる
- ケガをしたら傷が治りにくくなる
- 神経の機能に障害が生じ脚腰が弱ったような歩き方や、カカトをつけた歩き方をする
また治りづらく・重症化しやすくなるのも特徴です。
糖尿病の原因
糖尿病は血糖値が高い状態が続くことで引き起こりやすくなる病気です。
では、血糖値が高くなる原因とはなんでしょうか?
一緒に原因を確認していきましょう。
炭水化物が多いフードの影響
市販されているフードは炭水化物が多く含まれているものが多く、食後の血糖値が上がりやすいとされています。
もともと猫はタンパク質をエネルギー源とし炭水化物を食べる動物ではなかったため、血糖値のコントロールが上手ではありません。
そのため猫は炭水化物の多いフードを食べると血糖値の高い状態が続きやすく、糖尿病になりやすいのです。
日頃のストレスにより
日頃からストレスの多い状態で生活していると、血糖値を上げてしまうアドレナリンやステロイドホルモンが過剰に分泌されてしまいます。
また猫では高くなった血糖値をすぐに下げる能力が弱いため、血糖値が下がるには時間がかかります。
そのため、このような状態が続くと血糖値が高いままとなり糖尿病になってしまことがあります。
肥満から
糖尿病は、去勢した高齢の肥満の猫に多いとされています。
肥満の猫は、インスリンがちゃんと分泌されていても効きが悪いと言われています。
そのため血糖値が高くなりやすく、しかもその状態が続いてしまうため糖尿病になってしまうことがあります。
膵炎の影響により
膵炎とは、膵臓にトラブルを起こしてしまう病気です。
膵炎になるとインスリンの分泌に異常を起こし糖尿病になってしまことがあります。
猫は健康そうに見えても慢性膵炎に罹っていることも多く、注意が必要と言われています。
ステロイドなどの薬の影響
ステロイドなど、薬によっては副作用として血糖値があがってしまうものがあります。
糖尿病の主な治療法と費用
猫は検査などで採血するときにストレスがかかってしまうと、血糖値が高くなってしまいます。
そのため採血には、十分に気をつけ注意を払う必要があります。
糖尿病用のフードを使うなどの食事療法を行う
糖尿病には炭水化物が控えめの糖尿病用のフードを与える食事管理を行うことがとても大切です。
特にインスリンを使っている場合には、食後の血糖値の急激な上昇を抑えれば注射量を減らすこともできます。
食事管理が上手くいくと、血糖値のコントロールもしやすくなります。
肥満の場合には、適正な体重まで減量を行うために食事療法を行います。
また腎臓病や膵炎などの併発症がある場合には、その病気に適した食事を必要とします。
フードを選ぶに際しては、先生とよく相談してください。
インスリンの注射
糖尿病の治療は、細胞内にブドウ糖を取り込ませ血糖値をコントロールすることがメインとなります。
そのため血糖値を下げることのできるホルモンである、インスリンを使う治療が行われます。
インスリンは生き続けていくためには絶対に必要なホルモンで、足りなくなると生きていけません。
糖尿病の猫の多くは、一生涯インスリンの注射を毎日打たなくてはなりません。
しかも猫は短期間で血糖値が大きく上下することもあるため、糖尿病のコントロールが難しいと言われています。
ちなみ糖尿病の猫の中には、治療中にインスリンの注射が不要になってしまう場合があります。
その場合にも血糖値が急激に上昇しないように、食事療法と定期的な検査は続けて行います。
糖尿病の治療費
日々の通院でかかる費用は、血糖値の確認のための検査で8000円程度と思ってくだい。
その他にはインスリンと注射器、また糖尿病用のフードが必要になります。
これらは体重や糖尿の病状により、費用が違います。
重症になると入院も必要となるため、それだけ治療費もかかってしまいます!
やはり症状的にも経費的にも、早期発見が大切です。
糖尿病の予防方法
適正体重を維持する
肥満は糖尿病の発症のリスクを高めるとも言われます。
糖尿病予防には、フードの内容と若いうちから肥満にはならないように注意することが重要です。
適正体重の維持には、ヒトや犬では運動も重要になります。
しかし猫は散歩もできませんし、屋内で遊んであげても大した運動量にはなりません!
そのため体重の維持には、フードの管理が最重要となります。
ちなみ肥満でなくても糖尿病にかかることはありますので、注意してください!
ストレスの少ない環境で暮らす
糖尿病の発症の予防には、ストレスの少ない環境づくりを心がけることが重要です。
ただ猫によってストレスを感じるものは違いますが、以下のようなものには気をつけて下さい。
- 環境の変化に気を付ける
- 大きな音には注意する
- 落ち着いた場所でフードを食べたり水が飲める
- 綺麗なトイレを落ち着く場所に置く
- 多頭飼育には注意
- 運動不足を解消する
糖尿病を起こしやすい猫種
- 肥満の猫
- オスの猫
- 5才以上の猫
糖尿病が上記の猫に多いのは、以下のような理由からです。
- 糖尿病に罹ったの猫を調べると、約7割がオスというデータがある
- 5才以上になると、インスリンの分泌量が減る傾向にある
あたしゃ〜オスで5才以上、しかも皆からで太ってる太ってるって言われちゃってる・・
このままじゃ糖尿病一直線じゃん、気をつけよう!痩せよう!
まとめ
猫が糖尿病になって、インスリンの注射をするのが不安!
糖尿病の管理も不安で、このまま続けていっても良いのか心配。
そんな皆様の不安と心配が解消し、自信を持って治療に専念できるようお手伝いします!
何か気になる兆候が見られたら、早めにご相談くださいね!
また猫のホルモンに関する病気には、甲状腺機能亢進症もあります。
これらの病気を早く見つけ出すためにも、定期的な健康診断を受けておきましょう!