院長ブログ

食べないのはなぜ?

2022.09.03

このところ、慢性の腎炎の猫ちゃんの食欲不信での相談が多くなってきています。
来院時に、過去の検査結果をお持ち頂くのですが・・・・

ネコちゃんの飼い主さん
ネコちゃんの飼い主さん
食欲が無かったので検査したら、慢性の腎炎って言われました!
どうしたら食べるようになるんでしょう??
なぜ食べないんだろう?
なぜだ?
Dr.Nyan
Dr.Nyan

検査結果を見るたびに、いつもそう思うんです!

多くの子は、病院で定期的に皮下輸液を行なっています。
また場合によっては、強制給仕を行なっていたりしています。

ネコちゃんの飼い主さん
ネコちゃんの飼い主さん
食べないと心配!
水の飲みが悪くて心配!
そんな気持ち、よ〜くわかります。
食べてるのを見ると、ホットしますもんね!
Dr.Nyan
Dr.Nyan

腎炎と診断されると、頭の中は腎炎ばっかりが気になってしまいます。
『腎炎=食欲が落ちる』って、当たりまえですしね。

検査結果では、尿素窒素(BUN)値が高い。
そりゃそうですよね、腎臓病って言われてますしね!
そのため「食べないのは腎炎のせいだ!」との思い込みがあります!

食べない理由は腎炎だけじゃ無い場合もありますよ。
腎炎を離れて考えてみれば、歯痛、腹痛、腰痛・・・
精神的なことも、あるかもです。
Dr.Nyan
Dr.Nyan

そう言えば、先日来院した猫ちゃんのことです。
食欲がないために、強制的に口の中にフードを入れているとの事でした。

よくよく聞くと・・・
フードのある場所には通うそうなんですが、ニオイをかぐだけで食べない。
もし食べても、ほんのチョットだけ!
水の飲みも悪そうで、脱水傾向・・・

これって腎炎もあるけど、他に食べの悪い原因は無いのかな?
そこで口の中をチェック!
なるほど歯磨きしてるとのことで、歯石は少ないんです!

しかし良く見ると・・・
奥歯の歯茎に小さな腫れ発見!触ると血がうっすらと滲みます。

飼い主さんも歯磨きの時に血が出るのは知ってました。
そこで、その部分の歯周病菌検査の開始です。
なるほど、そこには深い歯周ポケットが出来上がっています。

結局、歯石は少なくても歯周病を起こしてたんです。
見た目だけじゃわからないって、このことなんですね。

歯周病になると、そこの部分に痛みを伴うことがあります。
思いっきりの痛みじゃなくても、うっとうしい痛みの場合もあります。

歯周菌の様子

歯周ポケットの中には歯周菌がいっぱいでした

歯周病になると、歯肉の血管から歯周病菌が体の中に入り込んでいきます。
その結果、腎臓疾患など様々な病気を引き起こことになります。

また歯周病だけでなく、脱水から便秘でした。
便秘になると、お腹が痛くなることもありますよね!

なるほど食欲が無いのは腎炎もあるでしょう!
しかし口の中に痛みがあっても、食欲がわきません。
そのうえ、便秘ですからね〜

よくコロコロ・ウンチが良いウンチと言う方がいます。
本当に良いウンチは、踏ん張らずにスンナリ出るウンチなんです!

でもスンナリ・ウンチって水分が多いから、結構臭うんですよね!
ウンチした後が、臭い!

ちなみ・・・
この腎炎の猫ちゃん、本日来院でした。
自発的に食べるようになったとのことでした。
食欲が落ちたのは、やはり腎炎だけじゃ無かったんです!

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