【吸収病巣】猫の吸収病巣とは?症状や治療法を解説
2023.01.17
歯が虫歯みたいになったり、歯が折れてしまったりした。
そのような症状がみられたら「吸収病巣」を引き起こしているかもしれません。
![ネコちゃんの飼い主さん](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/03/catkainusi_ico-300x300.png)
硬いものでも噛んじゃったのかしら?
どうしたら良いの
![](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/08/mushiba_1.jpg)
折れた歯
あら〜まぁ歯が・・・
吸収病巣もあるよ!
よ〜し一緒に頑張って治そうね。
![Dr.Nyan](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/02/index_symbol_blog-director.png)
![吸収病巣の様子](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/08/mushiba_2.jpg)
黄色い矢印の場所に穴が開いています
![](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/05/lsR4B-21.12.52.jpeg)
猫は犬と同じように、歯を失ってしまう原因としては「歯周病」や「破折」があります。
しかし猫には『吸収病巣』という、犬には見られない歯の病気があります。
![吸収病巣の様子](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/09/cat-kyusyu.jpg)
まだ4歳なのに吸収病相が見られます
『吸収病巣』は、3歳以上の猫の半数近くが罹っている(25%〜75%とも)と言われています。
それなのに・・・あまり知られていない病気なんです。
しかも飼い主さんは歯周病とか歯石が原因と思い、歯のトラブルに気が付くことは多くはありません。
では猫で多い『吸収病巣』の原因や対処法などについてDr.Nyanが説明しますね。
もくじ
吸収病巣の症状
初期の症状は歯と歯肉の境目の部分の歯肉が赤くなったり、赤く盛り上がる程度です。
痛がるような素振りもないため、良く見ていないと見逃してしまいます。
しかもそのままにしておくと、次第に歯に小さな穴が開いてきます。
またフードを食べるときなどに歯に大きな力が加わると、その部分から歯が折れてしまうこともあります。
![Dr.Nyan](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/02/index_symbol_blog-director.png)
歯周病と勘違いしちゃうこともある病気なんだよ!
歯周病に似ている吸収病巣の症状
吸収病巣を起こすと痛みから、食欲が落ちるなど以下のような症状が見られます。
- 口を痛そうにしている
- 歯をギシギシさせる
- 食べ方がおかしい
- 食欲が落ちてくる
- 口周りを触られるのを嫌がる
- 顔をこすったり口を気にする
- よだれが垂れる
- 前足がよだれで汚れている
【実例写真】虫歯のように見えちゃう吸収病巣
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![](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/08/mushiba_4.jpg)
緑色の矢印の部分の吸収病巣が虫歯のように見えます。
また、歯が欠けているようにも見えます。
吸収病巣の部分が歯石で覆われていて、よく見えなくなっていることもあります。
![](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/08/mushiba_3.jpg)
歯石で隠れてしまった吸収病巣
放置しておくと徐々に病巣が大きくなり、それにともない強い痛みを感じるようにもなります。
それなのに発見が難しい病気です。
吸収が進むと、歯の根の部分(歯根)を残して歯が折れてしまうこともあります。
その場合は、残った歯根に炎症を起こしてしまいます。
吸収病巣の原因
吸収病巣の原因は『破歯細胞』の働きと言われています。
しかし、まだはっきりした原因はわかっていません。
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ちょっと説明して下さいまね!
『破歯細胞』は乳歯が永久歯に生え変わる時に、乳歯の根の部分を壊す細胞です。
このように『破歯細胞』は、乳歯を抜けやすくする働きをしています。
この乳歯が生えるときに働く『破歯細胞』が、永久歯の根の部分までを壊してしまうのです。
これが『吸収病巣』と言われる病気です。
この乳歯にしか働かない『破歯細胞』が、なぜ永久歯にも働いてしまうのか?
その理由は、未だにわかっていません。
吸収病巣の治療法と費用
![Dr.Nyan](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/02/index_symbol_blog-director.png)
X線検査を行うこともあるんだよ!
治療の一番は抜歯!
『破歯細胞』の働きを止め、歯の吸収が進まないようにする治療方法はありません。
そのため、痛みを止めるなどの治療しても再発してしまいます。
治療としては痛みの原因となる歯をぬいてしまうのが、一番に治療方法と言われています。
![シロちゃん](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/02/index_symbol_blog-staff.png)
歯が痛くて食べさせるのはとても大変です。
その際はお手伝いしますので、ご相談くださいね!
治療費
![ワンちゃんの飼い主さん](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/03/dogkainusi_ico-300x300.png)
症状により、使用する薬などの違いから治療費が変わります。
一般的には、診察料と投薬で治療費は3,000円〜8,000円くらいです。
しかし吸収病巣の最終的な治療は、抜歯です。
ただ高齢とか他の基礎疾患を持っている場合などでは、全身麻酔にリスクが高くなります。
そのような場合には、内服薬などで痛みを取ってあげるなどの対処療法を行います。
全身麻酔で単純な抜歯を行う場合には、5〜6万円はかかると思ってくだい。
しかも重度の吸収病巣になると、歯と顎の骨が癒着しています。
そのため抜歯に時間もかかるため、それだけ治療費もかかってしまいます!
吸収病巣の予防方法
残念ながら、有効な予防方法はありません。
そのため歯周病や口内炎など、他の口の中の病気と併発しないように注意が必要です。
定期的に歯周病を検査など、歯科検診を行います。
また歯石がついている場合には、口腔内のケアを行います。
日々の歯磨きなどのホームケアも、大切ですよ!
吸収病巣を起こしやすい猫種
すべての猫がなってしまう可能性があります。
またドライフードよりウェットフードを食べている猫に多いとも、言われています。
まとめ
吸収病巣は、口内炎や歯周病と勘違いされやすい病気です。
しかも猫に多い口の中の病気ですが、早期に見つければ痛みの少ない生活ができます。
もし、気になる兆候が見られたら早めにご相談くださいね!
元気に暮らせるよう、お手伝いします!
■アニコム;このサイトにも猫の歯について説明してます!