院長ブログ

ミクロの殺し屋・2

2019.08.14

猫ヘルペスウィルス感染症とともに、猫ちゃんの呼吸器疾患を起こすのが『猫カリシウィルス感染症』です。

感染は、現在発症している猫ちゃんや、感染はしてはいるが発症はしていない猫ちゃんから排出されるウィルスにより起こります。
しかも猫カリシウイルスは常温の環境中でも1カ月以上も生きており、その伝播力は超強力です!

感染経路は、すでに発症している猫の『よだれや鼻みず、目やに眼漏』などからで、それらにの直接触れたり飛沫で感染したりします。
また感染した猫ちゃんに触ったヒトが、他の猫ちゃんに猫に触って感染させてしまうなど間接的な場合もあります。

症状は、元気消失、発熱、くしゃみ、 鼻水、涙目など呼吸器障害で猫ヘルペスウィルス感染症と似ている部分もあります。
そのため猫ヘルペスウィルス感染症と思ってしまうこともあります。

しかし猫カリシウィルス感染症が猫ヘルペス感染症と違う点は、慢性の歯肉炎や口内炎、口の中の潰瘍などができてしまうことです。
ただ口の中の症状が出るのは、ある程度時間が経過してのことが多いようです。

また双方の症状を比較してみると、猫カリシウィルス感染症の方が猫ヘルペスウィルス感染症より、くしゃみが少なく、鼻水が多い傾向にあります。


猫ヘルペスウィルスは、猫カリシウィルスや猫クラミジア菌、マイコプラズマなどのの呼吸器疾患と同時感染した場合、重症化しやすくなります。
猫ヘルペスウィルス、猫カリシウィルス、猫クラミジア菌については、ワクチンがあります。

これら感染症の防御のためにも、予防接種しておくことが大切です。

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