【ケンネルコフ(伝染性気管支炎)】犬のケンネルコフとは?症状や治療法を解説
2022.02.12
子犬がクシャミや鼻水、また咳が出ちゃって止まらない!
それって、もしかしたら「ケンネルコフ」を引き起こしているかもしれません。
しかもなかなか止まらないの!どうにかして〜ッ!
「ケンネルコフ」は犬の咳という意味で『伝染性気管気管支炎』とも言うんだよ!
一緒に頑張って治そうね!
ケンネルコフは発症するとヒトの風邪に似ているような症状となる病気ですが、実は非常に感染力の高い病気の一つです。
ここでは『犬のケンネルコフ』の原因と対処法などについて、Dr.Nyanがわかりやすく説明いたします。
もくじ
ケンネルコフの症状
ケンネルコフの特徴的な症状は『咳』です。
ケンネルコフの感染の初期は軽い咳をする程度で食欲も元気もあるため、様子を見てしまいがちなこともあります。
しかし様子を見ていると「気管気管支炎」が悪化し、重症化すると「肺炎」を起こしてしまいます。
口から吸い込まれた空気が肺まで通る道が「気管」、気管と肺をつなぐ部分が「気管支」です。
その気管や気管支の粘膜がウイルスや細菌により炎症を起こしたのが「気管気管支炎」です。
咳をする
ケンネルコフの特徴は『咳』ですが、感染の状態によって咳の仕方が違います。。
- 感染初期の「カッカッ」と乾いた咳
- 症状が進むと「ゴホゴホ」と喉に何か詰まったような咳、また痰が絡んだような咳
咳も軽いし元気だから様子を見ようなどと侮っていると、症状が進み重篤な状態へとなってしまうので注意が必要です!
咳の出るのは、以下のような経路によります。
この経路を咳反射と言います。
① 異物が気道内に入り込む
② 気道の粘膜のセンサーが反応
する
③ その刺激が脳に伝わる
④ 横隔膜や肋間膜などの呼吸筋に指令が送られる
⑤ 咳が起こる
このようにして、咳が起こります!
クシャミや鼻水
炎症が鼻へと進むと、クシャミや鼻水が出るようにもなります。
熱が出る
感染初期や軽症な場合では、39°Cくらいの熱が出ます。
しかし重症化してしまうと、40°Cを超える高熱が出てしまうこともあります。
犬の平熱は測定の仕方でも違いますが、だいたいは38℃台で39℃を超えることはありません。
体温がどれくらいなのか把握しておくために「日頃から体温を測っておく」ことが大切です。
ケンネルコフの原因
じゃ〜その原因いついて説明するね!
感染した犬との接触により
ケンネルコフに感染した犬の唾液や鼻水などが、咳などの際に飛沫し感染します。
そのためドッグランや公園、トリミングサロンなど犬が集まる場所での感染が多くなります。
ケンネルコフを起こす細菌などの病原体には、以下のようものがあります。
- パラインフルエンザウイルス
- 犬アデノウイルスII型咳
- マイコプラズマ
- 気管支敗血症菌(ボルデテラ菌)
感染は、これらの細菌やウイルスなど1種類の病原体だけによる場合もあります。
しかし多くの場合には、数種類の病原体に感染してしまっている「混合感染」です。
免疫力の低下やストレスにより
免疫力がしっかりとしていない、生後数ヶ月の犬に多い病気です。
また免疫力が落ちている高齢犬や、健康な成犬でも慣れない環境、暑さや寒さ、感暖の差によるストレスで発症してしまうことがあります。
ケンネルコフの主な治療法と費用
抗生剤を使用する
細菌感染には、抗生剤などを使用します。
ケンネルコフの原因となるウイルスや細菌は多数あるため、原因によって治療方法は少し異なります。
そのため『PCR検査』を行い、ある程度原因を特定してしまう方が治りは早くなります。
『PCR検査』は、結膜と喉の奥から採取した検体をIDEXX社に送付し検査の依頼をしております。
その結果により、各症状に対処していきます。
症状悪化を防ぐための自宅ケアを行う
ケンネルコフは重症化してしまうこともあるため、症状を悪化させないことが大切です。
以下のケアをぜひ意識してください。
- 重症化を防ぐため体を冷やさないよう保温する
- 栄養状態が悪くならないようフードを温めるなどして食べさせる
- 脱水を防ぐため水に味をつけてみるなど飲ませる工夫をする
- 吸入器を使い薬を霧状にして吸わせる処置を行う
ケンネルコフの治療費
ケンネルコフの治療のメインは、抗生剤の投薬と吸入処置です。
そのため1週間の抗生剤と吸入剤処置で5000〜8000円はかかると思ってくだい。
しかし重度のケンネルコフになると入院も必要となるため、それだけ治療費もかかってしまいます!
やはり症状的にも経費的にも、治療は早期に行うことが望まれます。
ケンネルコフの予防方法
ワクチン接種をする
ケンネルコフの予防をするには、混合ワクチンの接種をしておくことが大切です。
ワクチンで予防できるケンネルコフは以下の2種類です。
これら2種は、5種以上の混合ワクチンの中に入っています。
- イヌパラインフルエンザ
- イヌアデノウイルスⅡ型
細菌に関しては、ワクチン接種での予防はできません。
しかしワクチン接種をしておくことで、上記のウイルスとの混合感染と重症化を防げます。
またワクチンは定期的に接種することが必要ですので、接種間隔等は動物病院で相談しましょう。
ちなみワクチン接種を行なっていても、ケンネルコフになる可能性はあります!
環境を改善してストレスを減らす
ケンネルコフからの気管支炎は慢性化してしまうことも、肺炎を起こしてしまうこともある病気です。
そのため慢性化を防ぐためにも、ストレスを減らし症状を和らげてあげます。
暑くて湿度の多い、また寒くて乾燥した環境を改善し保温と保湿を心がけます。
また栄養状態にも気をつけてあげます。
ケンネルコフを起こしやすい犬種
- 6週~6か月齢の子犬
- 免疫力の落ちている犬
- 体力が落ちている犬
- 他の犬と接触する機会の多い環境で飼育されている犬
まとめ
(は多くの場合は軽症で、元気も食欲も変わらずある事も多い病気です。
そのため気がついたら重症化し、命に関わる状態になってしまっている事もある病気です。
咳など気になる兆候が見られたら早めにご相談ください!
お家での管理や看護方法など、健康を守るお手伝いをします!