【外耳炎】犬の外耳炎とは?症状や治療法を解説
2022.02.14
頭を振ったり、耳を掻ゆがる!
そんな症状がみられたら「外耳炎」を引き起こしているかもしれません。
どうにかして〜ッ!
外耳炎かもしれないから一緒に頑張って治そうね。
「外耳炎」は、耳の入り口から鼓膜までの皮膚に炎症が起こる病気です。
しかも繰り返して発症してしまう、とっても奥の深い病気なんです。
そんな「外耳炎」の原因や対処法などについてDr.Nyanが説明しますね。
もくじ
外耳炎の症状
まずはどんな症状がでたら要注意なのか一緒に確認していきましょう!
犬に外耳炎が多い理由は、外耳道の形に問題があります。
- 耳道がL字型
- 耳道が狭い
- 垂れ耳である
犬の外耳道(下の写真で赤い線が引かれた部分です)はL字型に細く曲がり毛も生えています。
そのため空気の流れが悪く、また蒸れやすいため細菌や真菌が増殖しやすい環境とも言えます!!
赤み、腫れ
耳の穴や、その付近の皮膚が赤く分厚く腫れています。
そのままの状態で放置しておくと、皮膚の表面がボコボコと荒れた感じになってしまうこともあります。
耳を痒がる・痛がる
外耳炎になると激しく頭を振ったり、ひっきりなしに耳を後ろ足で掻いたりします。
そのため耳の後ろの部分の毛が抜けたり、皮膚に傷を作ってしまうことがあります。
また痒みから、耳を床などに擦りつけることがあります。
外耳炎の炎症が進んでしまうと、痒みが痛みに変わってしまうことがあります。
痒いと痛いは、症状としては大違いです!
耳が痛いと、耳や頭に触れられるのをとても嫌がります。
そのた耳や頭に手を近づけると避けるだけで無く、噛もうとすることもあります。
また痛痒いのか、痒くて掻きたい!
しかし耳に足が触れると痛くて「ヒーヒー」と声を出しながら、後ろ足で掻くこともあります。
耳から悪臭
耳の中から甘臭いような臭いがしたり、腐ったような臭いなどがするなどの異臭を感じることもあります。
耳垢・膿
茶色から黒色の、ベタベタした耳垢やカサカサの耳垢が見られることがあります。
また耳を触ると耳の奥からグチャグチャした音がしたり、耳の穴から膿が出てしまっていることもあります。
外耳炎の原因
寄生虫
耳の中にミミヒゼンダニ(ミミ疥癬)が寄生すると、強い痒みと黒い耳垢を伴う外耳炎が見られます。
ミミヒゼンダニ(ミミ疥癬)は、接触での感染ですので注意して下さいね!
細菌や真菌
耳の中の中には、常在菌である球菌やマラセチアなどの細菌や真菌が住んでいます。
これらの常在菌が、耳の中の蒸れなどの環境の悪化により増殖してしまうと外耳炎を起こしてしまいます。
またそれだけでなく、起こした外耳炎を慢性化させてしまいます。
異物
耳の中に草の種などの異物が入り込んでしまうと、外耳炎が起きることがあります。
アレルギー
食物アレルギーの症状のひとつに、外耳炎があります。
また外耳炎を繰り返す場合には、食物アレルギーを疑い治療することもあります。
食物アレルギーの場合には、耳以外の場所にも痒みを伴うことが多々あります。
アレルギーの原因となる食材を特定するには、検査を行うなど手間を必要とします。
外耳炎の主な治療法と費用
外耳炎はただの耳の穴の病気と思いきや、実に奥深い病気なんです。
しかもちゃんと治ったとしても、繰り返し発症してしまうことが多いのが外耳炎です。
原因や症状によって治療方法は違いますが、一般的な外耳炎の治療は2~4週間です。
しかしアレルギーを持つ場合には、治療後は発症の予防にも努める必要があります!
駆虫薬
駆虫剤を飲ませたり、点耳薬を耳の中にたらして寄生虫を駆除します。
内服薬
炎症がひどく強い痒みや痛みを伴うなう場合は、生活の質の改善のためにも痒み止めの薬を飲ませます。
化膿がひどい場合には、抗生剤を飲ませることもあります。
また漢方薬を使用することもあります。
点耳薬
炎症や痒み、感染を抑えるための点耳薬を使います。
点耳薬には1日1回行うものや、1週間に1回のもの、4週間に1回のものがあります。
耳道内の清浄
点耳薬の効果を十分に得るため、耳道内の汚れを取り除くことがあります。
しかし鼓膜に傷が付いているなど、場合によっては洗浄を行わない方が良いこともあります。
耳の洗浄には、専用の洗浄液を使います。
アレルギーの治療
食事などのアレルギーが疑われる場合には、アレルギー検査を行います。
検査でアレルゲンが特定できた場合はその後、除去食療法(アレルゲンを取り除いた食事を与える食事療法)で症状が改善するか経過を観察します。
治療費
外耳炎の原因によって、使用する薬と治療期間が違いから治療費が変わります。
外耳炎の場合は、耳や耳垢の検査と点耳薬で治療費は6,000円くらいです。
しかし重度の外耳炎になると治療期間も長くなり、その分治療費もかかってしまいます!
外耳炎の予防方法
散歩での注意
草むらの中に入ると、耳の中に草の種が入ってしまうことがありますので注意が必要です。
耳掃除での注意
耳の掃除の方法を間違うと、逆に外耳炎になりやすくなってしまいます。
例えば綿棒を使う場合ですが、擦りすぎてしまうと耳の中の皮膚に小さな傷を作ってしまうことがあります。
これが外耳炎を引き起こす原因にもなってしまいます。
耳の掃除と洗浄をやりすぎてもダメですよ!
耳掃除や耳の洗浄は、優しくほどほどに行うのがコツです。
耳の中の汚れ=外耳炎ではありません!
日ごろから耳をチェック
耳を痒がっていないか臭いはないかなど、日々気をつけおきます。
特に蒸し蒸しする季節は、いつもより注意が必要です。
また冬にコタツの中に潜ってしまうなどして、外耳炎になってしまうこともあります。
外耳炎になりやすい犬種
- 一般的に若い犬
- アレルギーの犬
- 垂れ耳の犬
- 耳毛が多い犬
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- ラブラドール・レトリバー
- フレンチ・ブルドック
- シーズー
- パグ
まとめ
外耳炎は犬に多い病気ですが、気をつければ予防もできる病気です。
繰り返す外耳炎は、アレルギーなどの別の病気から発症していることも多いんですよ!
痒いとイライラしちゃいますよね!
しかもお家では耳の中を見たくても見ることができませんので、何か気になる兆候が見られたら早めにご相談くださいね!
慢性の外耳炎にならないよう、お手伝いします!